サンプルは「お試し」だけじゃない!
広告効果を計り、潜在顧客をフォローアップする便利ツール
広告の神様、デイヴィット・オグルヴィが称賛するクロード・ホプキンス氏著『Scientific Advertising』ダイジェスト版。
第13章のテーマは「サンプル」についてです。
商品の何よりの広告等は、商品そのもの。
その良さを潜在顧客にわかってもらうためには、実際に使用してもらうことが一番。
潜在顧客が顧客へとなるための最後の一押しを助ける代表的な方法が、無料サンプルの提供ではないでしょうか。
とはいえ、実は、サンプルが果たす役割は、「商品を試してもらう」といったシンプルな理由にとどまらないとホプキンス氏は主張します。
第13章では、サンプルが果たす異なる役割をご紹介します。
1) 広告内で「無料」という言葉を使用できる!
「無料」という言葉が広告で使用されると、その注目度が上がることがこれまでの検証で実証されています。
目立つ広告を作るためには、広告スペースを増やそうとすればコストが掛かります。
ところが無料サンプルを提供することで、広告スペースを増やすことと同じレベルの注目度を集めることができます。
2) 潜在顧客を次のステップの行動に誘導させる
サンプルは、潜在顧客の行動を呼びおこす、つまり(購入したい!という気持ちを生みだし、実際になにかの行動を起こしてもらうために非常に有効なツールです。
広告を見て、興味をもったものの購入するほどまでに至っていない読者は、もっと具体的に商品を知りたいと思っているかもしれません。
そんな潜在顧客には、最後の一押しが必要です。
説得に成功し、購入に踏み切る次のステップを後押しするのがサンプルの威力なのです。
3) 潜在顧客の記憶に残す
世の中には数え切れないほどの広告があります。
読者は、この先、同じ広告を目にしないかもしれませんし、目にした広告のことなんて次の日にはすっかり忘れているかもしれません。
広告を見た時には興味をもっても、次の瞬間には忘れてしまうかもしれません。
それが、「サンプルの無料お試し!」とか「無料請求!」と広告に記載されていることで、潜在顧客自らがサンプルの請求をしたり、サンプルと引き替えるためにクーポンを切りとります。
その行動をとることで、記憶に強くすり込まれます。
4) 潜在顧客の情報を入手する
実際に商品を流通させる前に、サンプル引き替え券(クーポン)付きの広告を流通させることで、潜在顧客の所在地や反応などを知ることもできます。
5) 広告の結果を測る
サンプルを通じて、広告の結果を測ることができます。
100年前、POSシステムは存在せず、広告に効果があったかどうかを判断するのは至難の業でした。
そんな当時、見出しやメソッドが異なる広告のサンプルを提供するためのクーポンに、それぞれ印を付けることで、
使用した見出し、計画、メソッドなどの有効性を確認することができました。
6) 潜在顧客のフォローアップ
一度サンプルを取り寄せてもらえば、潜在顧客がサンプルを使用して商品のことを忘れ果ててしまってもまた、さらに興味を深めた潜在顧客には、さらに詳しい情報を提供することも可能です
最も効果的なサンプルの使い方
サンプルを提供する大原則があります。
サンプルは、商品に興味があり、欲しいということを表明して行動した潜在顧客(つまり、サンプルを入手するために、店舗に出向いたり、申込書を記入した顧客)にのみ提供します。
潜在顧客が商品に関する情報を提供し、もっと知りたい、使ってみたいという欲求や商品に対する期待感を作り出すことで、サンプルはより効果的な役割を果たします。
ポストなどにサンプルを勝手に投函しても、事前に商品に関する情報を得ていない潜在顧客は、商品に対する期待感をもっていません。
そのため、「使うのを楽しみにしていたサンプル」という位置づけではなく、「いきなり勝手に送りつけられた何か」といった位置づけになってしまいます。
そのため、使用される可能性が低くなり、効果的ではありません。
また、使用されたとしても、潜在顧客のなかで、「勝手に送りつけらたもの」の価値は、「期待感を持って待っていたもの」価値よりも下がってしまいます。
サンプルにかかる費用をカバーするために、送料を潜在顧客に要求するケースもあります。
この場合、潜在顧客からのサンプル請求数がグッと減少することを覚えておいてください。
また、広告で「無料」というキーワードを使用することもできなくなることで、広告への注目度そのものが減少してしまいます。
サンプル請求のために切手を貼らなければいけないケースでも、請求数が減少することがわかっています。
「1つ買うと、もう一つを無料プレゼント」、や「割引クーポン」などは、逆にコストが回収できないことが実証されています。
サンプルは、生産、流通させるためのコストはかかりますが、「消費者に商品の良さを知ってもらう」だけに留まらないメリットが企業側にあることをご理解いただけたのではないでしょうか。
上手に使えば、顧客を生む費用対効果の高い効果的なマーケティング手法です。
是非、貴社のマーケティングにも活用してみてください!
引用元:
Scientific Advertising By Claude C. Hopkins
http://www.scientificadvertising.com/ScientificAdvertising.pdf
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Eric Jackson エリック ジャクソン
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