販売店の力に依存した商品は売上に伸び悩む
広告の神様、デイヴィット・オグルヴィが称賛するクロード・ホプキンス氏著『Scientific Advertising』ダイジェスト版。
第16章のテーマは「販売店の努力」についてです。
自社の商品を取り扱う販売店には、できるだけがんばって商品を売って欲しいというのが、メーカー側の気持ち。
とはいえ、販売店が取引しているメーカーは1社だけではなくそうそう特別扱いもしてもらえません。
しかも、メーカーが売りたい商品を売ったことで得られる利益が、販売店にとって大きいかというとそこまで大きくないのが一般的です
そのため、販売店は、自分の利益が大きい自社商品を一番大切に扱います。
利益の低い他のだれかのブランドには、労力を注がないのはあたりまえの話ですね。
販売店に特別扱してもらう必要はない
メーカー側は、販売店に特別な扱いを頼み、その見返りを支払う、という形式が使用されることも多くあります。
「在庫をもてば販売店が販売努力をするはず」と、10ケース仕入れたら1ケース無料にするなどもあります。
しかし、多くの場合、これは無駄な努力となり、その販売店での売上げを増やすことには繋がりません。
各販売店の努力よりも、広告でしっかりと潜在顧客を説得した方が、より息の長い顧客を掴むことに繋がります。
店員が適当に勧めた商品をパッと買うような顧客は、次回別の商品を勧められたら、その商品を買うに決まっていますよね。
販売店にサービスするよりは、割引や無料プレゼントにその予算を回した方が顧客の獲得には有効です。
それでも、販売店に「無料サービス」をする場合は、その費用を事前にきちんと計算することが大切です。
たとえば、10ケースにつき、1ケース無料にする場合、最初から売値を1ケースにつき1割上乗せしておけばいいわけです。
お得感の見せ方がコツです。
陳列場所と全体の売上げに関係はない
良い商品陳列場所を確保するために予算が割かれることも多くありますが、売上げ全体を増やすことには役に立たない場合が多々あります。
良い陳列場所を確保できた店舗では有効かもしれませんが、その店舗での売上げが増えることが、全体の売上げにどれくらい影響を与えるでしょうか?
顧客を一人得るのにいくら掛かり、その顧客はいくらの商品を購入するのか。
もし顧客を一人得るのに100円かかる計算だとしたら、よい陳列場所を確保するのに10000円費やした場合どれくらいの顧客が見込めるでしょうか?その予算を広告に使用すれば100人の顧客を得ることができるのですから、比較して有効な方法を選ぶ必要があります。
陳列場所がもたらす効果がないという考え方に疑問をもった場合、実地でテストしてみてください。
異なる方法を異なる地域で試し、その売上げの合計で判断します。
おそらく、いずれの結果でも、良い陳列場所を確保するために予算を割くことは無意味だという結果がでます。これは、これまでのマーケティングの統計によって既に証明されているのです。
疑問をもったら、とにもかくにもテストしてみることです。
机上の論理や計算よりも、実際に小規模でテストする方がより、正確なコストおよびリターンの結果を正確に予測することができます。
変わり続ける常識は、常にテストして確かめる
どんな分野でも、ずっと当たり前のように使用されてきた論理やアイデア、方法が、効果的を生まなくなるフェーズもやってきます。
また、時代や場所が変われば、かつて有効であったことが、無効になることも多くあります。
商品を継続して多く売るということは、販売店の力に依存するのでは、広告主側が自力で行うことが基本です。
貴重な資金は、一番結果が出る部分に費やすこと、そして結果がでる部分はきちんとテストして検証するフローを欠かさないでください。
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Eric Jackson エリック ジャクソン
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