英語の読みやすさを図るツールをご紹介します
前回のブログの最後に、客観的に英文の読みやすさを計る数式が存在することをお伝えしました。
今回ご紹介する三つの数式とこの数式の要素がわかれば、読みやすい英文ライティングに関する専門知識を持つことができるようになります!
英語が得意ではなくてもよいのです。この英語はちゃんとしている、この英語はおかしいんじゃないか、とご自身で判断するヒントになることでしょう。
弊社では英文ライティングを評価するときに、三つを主に使っています。
それはこの数式です:
読みやすさの指標
. Flesch Reading Ease Score
. Flesch-Kincaid Grade Level
. Gunning Fog Index
なんだこれは?っと思うかたが多いかと思いますが、実は皆さんもお使いのMicrosoft Wordのツールとしても搭載されているんです。自分の書いた文章がどれだけ読みやすいかを数式で表してくれる指標であり、英語のネイティブの方でも使っているものです。
まずFlesch Reading Ease Scoreについてみていきましょう。
この数式自体は覚えなくても大丈夫です。
こちらが数式です(数式自体を覚える必要はありません):
206.835 – 1.015 x (total words/total sentences) – 84.6 x (total syllables/total words)
ここで注意していただきたいのは、数式に用いる変数です。
Total words = 言葉の数
Total sentences = 文章の数
Total syllables = 音節の数(例:hello = 2音節;company = 3音節)
※英語の辞書は音節も表示していますので、ぜひ見てみてください!
この数式を掛けて出てきた数字は、読みやすさのレベルを0から100までの段階で表してくれます。
ゼロに近いほどその英語は英語として読みづらいということになり、100に近いほど読みやすい英語であるという指標になります。
弊社では40を基準にライティングをするように推奨しております。
次は、Flesch-Kincaid Grade Levelです。
数式はこちらです:
0.39(total words/total sentences) + 11.8 (total syllables/total words)
この数式で出てくる数字は、欧米で使われている学年を表します。
例えば、8が出てきたら8 Grade=8年生(日本では中学2年生)なので、それぐらいの学年であれば理解できるという意味です。
このスコアが低いからといって、ライティングが単純だ、シンプルすぎる、ということではありません。あくまで、簡潔性、明確さの指数です。推奨するスコアは、あとに紹介します。
この数式の変数は、先程のFlesch Reading Ease Scoreと全く同じ変数です。
また、このFlesch-Kincaid Levelですが、米国国務省が標準として使っている指数です。
三つ目の数式はGunning Fogです。
Gunningはこの数式を開発した人の名前、fogは文字通り「霧」という意味です。
分かりにくい指標という意味で、出てくる数字は学年を表します。
数式はこちらです:
0.4[(words/sentences) + 100(complex words/words)]
この数式の変数はこちらです。
Total words = 言葉の数
Total sentences = 文章の数
Complex words = 難しい言葉
ここでの「難しい言葉」の定義は、音節が3つ以上の言葉です。例えば、globalization。これは音節が5つあります。
この三つの数式の変数の共通点、お分かりになったと思いますが、言葉の数と文章の数です。要するに、言葉自体や文章の平均長さです。
スコア上でも実際のライティングでも、英語では1センテンス平均で20ワード位で書くことをお勧めいたします。
前回のブログでも受動態だらけの英語はよくないということをお伝えしたと思いますが、これらの数式では受動態を直接検知はしてくれません。しかし受動態は能動態と比べて言葉が多いので、間接的には反映されるということです。
また、専門用語、社内用語、社内造語なども英語にすると長くなるのでスコアに影響します。
つまり、英語の読みにくい、読みやすいは言葉や文章の長さが大きな要素になるということです!
では、実際にこの数式が世界でどのように使われているか紹介したいと思います。
トランプ大統領の一般教書演説では、毎回演説が終わるたびに、この数式を使って内容がどの位のレベルであるか、報道機関が記事を書きます。
さて、2019年2月に行われたトランプ大統領の一般教書演説を、Flesch-Kincaid Reading Levelで測ったら、どの数字、どの学年だったと思いますか?
実は、トランプの一般教書演説をFlesh-Kincaid Reading Levelで計ったら、9.3でした。中3レベルです。
注意していただきたいことですが、この学年のレベルについては、その英語自体が明確でありわかりやすいかどうかという指標として考えていただければと思います。
またご参考までにオバマ大統領の2016年の一般教書演説は8.47、ブッシュ大統領の2002年の演説は8.46でした。
さて、では他の文書はどうでしょうか?
Flesch Reading Ease Scoreで表すと、ニューヨークタイムズ、米国で一番有力で有名な新聞の平均スコアが39です。Wall Street Journal は43、Harvard Business Reviewも43と言われています。大学レベルという感じで、少し難しい内容となります。
一般的に、アメリカで一番読みやすいとされている本はDr. SeussのGreen Eggs and Hamで、このスコアは120です。幼稚園から読めます。私も息子にはたくさんDr.Seussの本を購入しています!
弊社では和文英訳の場合、以下の数値を弊社の英訳の基準としてライティングを実施してております。
. Flesch Reading Ease Score 40+(大学以下)
. Flesch-Kincaid Grade Level 10-12(高1から高3)
. Gunning Fog Index 10-12
翻訳会社などに英訳の依頼をされるときは、作業が始まる前のお見積もりの段階から「このレベルのものを納品してください!」と、ぜひ読みやすさの数字を指定してみてください。
それでは実際にMicrosoft Wordのどの部分にこのツールがあるのかご紹介しますね。
いかがでしょうか?
ぜひ実際に自社の英文を読みやすさの評価の指標にかけてみてください。自社の英文の評価の一助となるかもしれません。
とはいえ指標はあくまでヒントです。良い数字=良いライディングとは限らない、逆にあまり良くない数字が出たとしても必ずしも悪いライティングというわけではありませんが、大きなヒントになると思います。
弊社でも英文評価レポートの作成を無償で行っております。今日ご紹介した指標もつかいながら、さらに詳細なレポートを作成しております。ご興味のある方はぜひ、以下よりお問い合わせください。
Eric Jackson エリック ジャクソン
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