IRツールのベスト・プラクティス - Part Ⅱ-
コーポレート・ガバナンス

推奨したいコーポレート・ガバナンスの見せ方をご紹介します!

日本企業のウェブサイトやアニュアルレポートでよく見るコーポレート・ガバナンスのイメージってどんなものでしょうか。

このような図をよく見かけます。

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そもそも、コーポレート・ガバナンスってなんなのか…

首脳部で決定された方策をいかに実行するかはマネジメント(運営)、その運営状況をいかに管理・監督するかは内部統制(内部管理・監督、Internal control)、さらに企業のシステムが健全に機能しているかを審査するのは監査(内部監査と外部監査に別れる)という。
引用元:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%9D%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%AC%E3%83%90%E3%83%8A%E3%83%B3%E3%82%B9

上の図は確かに、その運営状況をいかに管理・監督するかは内部統制しているかを表しているのですが、ではその委員会が何のための委員会なのか?どんな役員で構成されているのか?この図では理解できません。

ではどんなコーポレート・ガバナンスの見せ方がベスト・プラクティスなのか? 本日、IR Global Ranking にもランクインしているいくつかの会社をモデルにご紹介させて頂きます。

ケース・スタディ1:
Life Technology社
この会社の素晴らしい点は、経営層および役員の顔とポジション、バックグラウントを非常に細かく開示している点です。また委員会の構成員もわかりやすく表示されています。

Managementページ

ManagementPage

https://ir.lifetechnologies.com/management.cfm

Board of Directorページ

Board_of_Director_page

https://ir.lifetechnologies.com/directors.cfm

Committee Compositionページ
一目で委員会の構成メンバーが解り、かつ氏名左をクリックすると各役員の詳細が閲覧できるようになっています。

Committee Composition1

Committee Composition2

https://ir.lifetechnologies.com/committees.cfm

ケース・スタディ2:
SHELL社です。

この会社の良いポイントは委員会の内容が明確に記載されていること。また、構成員が写真から一目で理解できる点です。

shell

http://www.shell.com/global/aboutshell/investor/corporate-governance/committees.html#textwithimage

他にもコーポレート・ガバナンスを読み手に効果的に伝える手法として

  • 社外取締役・社外監査役のQA
  • 会長と社長の対談
  • 社外取締役の役割を明確に記載する

なども挙げられます。

テンプレート化している日本企業のコーポレート・ガバナンスページ。
難しい文章で体制についてつらつら書いても、重要なことは読み手には伝わりませんし、それは読み手が求めている情報ではありません。

Life Technology社SHELL社のIRサイトはとても参考になります。
是非、他のコンテンツもご覧になってください!

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Plain English -Part 6- 日本語のライティングでも使えるPlain Englishのガイドライン

会議や打ち合わせで社内用語や業界用語、専門用語を乱用されて困った経験ありませんか?
お客様に伝わる言葉を選べていなかったら、それはマイナスイメージなコミュニケーション

Plain English(プレイン・イングリッシュ)をご存知ですか? -Part2-」でご説明させていただいたルールの一つに「専門的な用語は使用せず、一般的な用語を汎用する」というガイドラインがあります。そして、抽象概念ではなく、具体的な用語に置き換えていくことで更に読みやすい文章にすることが出来ます!

たとえば、金融業界を例にとってみます。

ミューチュアル、ファンド、クーポン債、外貨取引…。
抽象概念の用語の宝庫ですね。 “Plain English -Part 6- 日本語のライティングでも使えるPlain Englishのガイドライン” の続きを読む

IRケーススタディ:
会社にとって不利益な情報をどう発信するか!?

IRのベスト・プラクティスを非常にうまく取り入れている会社、PotashCorp社をご存知ですか?

今回、PotashCorp社はマーケット不調の為、大幅な人員削減をすることになりました。
会社にとって不利益な情報をどのようにリリースするか。
PotashCorp社は素晴らしいケーススタディですのでご紹介させていただきます。

PotashCorp Announces Operating and Workforce Changes

PotashCorp社TOPページ
http://www.potashcorp.com/news/1782/

 

=====
ポイント1:
社長の動画がトップにあり、印象的です。

- ゆっくりとした口調でまっすぐと視線をカメラに向け、説明することで信頼感、説得力が生まれています。

ポイント2: “IRケーススタディ:
会社にとって不利益な情報をどう発信するか!?” の
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Plain English –Part 5- あなたの英文ライティングをちょっとしたコツでレベルアップさせる法則

このコツを意識するだけであなたのライティングは各段にわかりやすい、メッセージ性の高い文章に!!

先日、「Plain English(プレイン・イングリッシュ)をご存知ですか? -Part2-」でPlain Englishのライティング方法についていくつかご紹介いたしました。
その中の一つである、「受動態は使用せず、能動態を使用する」方法について詳しくご説明いたします。

日本語は文章の特性上、受動態の文章を多く使用します。
もし、日本語をそのまま英訳するとどうなるか?
要点が曖昧で、冗長的で何を伝えたいのかわからない残念な英文になってしまいます。

いくつか事例を交えてご紹介いたします。 “Plain English –Part 5- あなたの英文ライティングをちょっとしたコツでレベルアップさせる法則” の続きを読む

IRツールのベスト・プラクティス - Part Ⅰ-

貴社のIRツール、もっともっとグローバルに、多くの人に読んでもらいたいと思いませんか?

本日は欧米向けIRツールのベスト・プラクティスについて、弊社COOのエリック・ジャクソンよりご説明させていただきます。

ベストプラクティスとは…?
ある結果を得るのに最も効率よい技法、手法、プロセス、活動

せっかく会社の予算を使ってアニュアルレポートや決算説明会資料、Webサイトを制作するのであれば、最終目的(投資家に株を購入してもらう)のために最も効率の良い、効果的な手法を駆使し、制作するべきですよね。

日本企業の英語版アニュアルレポートやWebサイトはどちらかというといかに会社や製品の情報を盛り込むか、という観点から制作されているように感じます。
その結果、どうなるかというと文章だらけで単調な、あまり読む気の起きない残念なIRツールになってしまいます。

数多くの会社のレポートをチェックする投資家にとって、退屈なIRツールではまず興味を持ってもらえません。また、重要な情報はなにか、会社側は何を投資家に伝えたい情報なのかなかなか理解してもらえません。

読み手にはふたつのパターンがあります。 “IRツールのベスト・プラクティス - Part Ⅰ-

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Plain Englishの逆説

Plain Englishはいいところばかりじゃない….
逆説の観点を惜しげなく披露します!

これまでPlain Englishの利点ばかりをお伝えしてまいりました。
残念ながら、そんなPlain Englishにもライティングのスタイルが適さない文書もあります。
マニュアルや契約書などは、より具体的に、また、指定の専門用語を使用することが求められるため
Plain Englishのルールでは読み手にとって不十分な情報になる、また顧客のニーズに合わないケースがあるからです。

具体的にご説明させていただきます。

1) 正確性が十分でない場合がある
2) 翻訳費用の削減には適していない
3) 機械翻訳(Google翻訳、Excite翻訳など)には適していない
4) 世界基準のガイドラインがない

各項目について事例を交えてご説明いたします。 “Plain Englishの逆説

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Plain English 読みやすさの指標(FKR/FKG/GFS)って一体何が基準なの!?

何をもってPlain Englishなのか。英語圏のネイティブでない方のために、数値でご納得いただくツールの詳細を解説いたします。

先日Plain Englishかどうかを確認する一つのツールとして「The Readability Test Tool (http://read-able.com/)」をご紹介しましたが、ツールに表記される各指標について解説いたします。 “Plain English 読みやすさの指標(FKR/FKG/GFS)って一体何が基準なの!?” の続きを読む

多くの日系企業にある英語の使い方のここが変?(補足)

会社名や商品名を英語の大文字だけで表記することは英語のネイティブの観点からすると要注意!

大切な自社のサービス名や商品名、さらには会社名の英語表記がすべて大文字であると、英語のネイティブから見た場合、非常に不自然だというお話を前回のBlog でご説明させていただきました。

少し補足をさせていただくと、すべて大文字にすることは絶対に良くないという意味ではありません。
例えば、デザイン的に大文字のほうが映える場合や、他に目的がある場合。
他に目的がある場合の例としては、「怒り」や、「叱責」を文字で表す場合があげられます。

ただ、日本でよく見かけるすべてを大文字だけにしている会社名や商品名は、特に理由があってではないような気がします。

プレスリリースサイトへの投稿では、すべてを大文字表記とした場合、スタイルが不適合と判断され承認されないプレスリリースサイトもあります。

弊社Blogのトップ画像に埋め込んでいる文章はすべて大文字じゃないか!と思われる方々も多いと思いますが、これはデザイン的な理由と、タイトルなのですべて大文字でもネイティブが違和感を感じることはないためです。

あのYahoo!もトップ画面ですべて大文字表記を使っていますが、これは実は「Yet Another Hierarchal Officious Oracle (もう一つの気の利いた階層構造のデータベース)」 の頭文字を取った略語なのです。

創業者のデビッド・ファイロとジェリー・ヤンがインターネット上に置かれているさまざまな情報を効率よく探し、評価し、整理した独自のデータベースを作り上げたサイト。それをYahoo!と名づけたといわれています。

こういった感覚のギャップを理解するのは非常に難しいですし、奥深いものだなぁとつくづく感じています。

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