Windows8が一般にも開放され、もう利用された方もいらっしゃる頃かなと思います。8に関しては賛否両論あるかと思いますが、ビジネス的な観点から面白い記事がありましたのでご紹介したいと思います。特に開発者の人は必見です!
今回はtechcrunch.comの記事をご紹介したいと思います。11月3日に更新されたWindows8に関する記事(Get Your Ass To Metro)です。
記事の著者はTadhg Kellyさん(著者のブログ:What Games Are)。20年の経験を持つゲームデザイナーでゲームデザイン・開発を牽引されている方です。
そのTadhg Kellyさんが言うには、Windows8は新機能「Metro」によってWindows Storeと連携しPCマーケットに未体験の大きな経済を生み出すだろう。これは開発者にとって絶好の機会となる。しかし、迅速に対応しなければならない。と提唱しています。
アメリカの有名企業にウォルマート(世界最大のスーパーマーケットチェーン)がありますが、有名な言葉にウォルマート効果というものがあります。これはウォルマートが建設されるとウォルマート周辺の地域が発展する。(ウォルマートの魅力により遠方から客が来るため大きな経済効果を生み出す)逆を言えばウォルマート近隣のお店は淘汰されてしまうことも意味します。(※日本だと地方にAEON-イオン-ができたことを考えると想像しやすいかもしれません。)
この現象は近年のソフトウェアサービスにおいても同じ現象があり、有名な企業ですと、web検索のポータルサイトのgoogle、SNSのfacebook(日本ではmixiも)、Twitter等が挙げられます。Amazonに関してはインターネットのウォルマート版のような発展をとげました。Appleは音楽専用のiTunes、ゲーム・アプリのためのApp Storeを展開してきました。
このように、1つのアクセスポイント、1つのサービスにおいて圧倒的なシェアを誇ると人々はそれを当たり前のように利用します。
このアクセスポイント・サービスを早期の段階で開拓したコンテンツプロバイダは黄金の期間を獲得できる。zyngaはソーシャルゲームにおいてfacebookを軸に急成長を遂げた、Rovioに関しても携帯上でzyngaと似た手法で急成長を遂げました。しかし、この黄金期は半減期をもっていることを忘れてはなりません。
ではWindowsはどうでしょうか。Windows上のアプリストアはというとSTEAMがありますが上手に機能していません。しかし、今回のWindows8とWindows Storeの連携はiPhone/iPad向けの「App Store」やAndroid向けの「Google Play」(旧Androidマーケット)に相当する。そのため、ユーザーは様々なソフトを検討し、インストールする。これが黄金期を形成するでしょう。
“All of which leads me up to saying this: You should be developing or retooling your games and apps for the Windows Store right now. And also this: You don’t have long.”
本記事でTadhg Kellyさんの言いたい事は“Widows Store用のゲームもしくはアプリを開発・Windows仕様に再編するなら今しかない。流暢に待っている時間は全くない”とのことです。
Tadhg Kelly自身はWindows8は素晴らしいOSではないと言っています。しかしながら、先週Windows8が400万本売れた(あくまで、店頭の在庫も含むが)。windows7はすでに6.7憶インストールされている。開発者はWindows StoreなしにWindows上で販売はできない。でもこれは黄金期でもあるということで半減期が存在するでしょう・・・
要するにMicrosoftはWindows8とWindows StoreによってPCソフトにウォルマート効果を適用する体制を整えています。もうすぐWindows Store内には多くのアプリが並ぶことでしょう。そして、長期的にはiOSよりも大きな市場となるでしょう。しかし、今は1万アプリしか存在していません。大きな流れにのみ込まれる前に行動するには今しかありません。
今回の事象は携帯のアプリのビジネスモデルとは異なって、PCの場合PC互換のゲームがすでに膨大にあることから時間のプレッシャーが非常にタイトとなります。また、多くのゲームメーカーはすでにUnityなどのクロスプラットホームのエンジンで彼らのゲームを開発しています。Windows8はデスクトップであり、タブレットのOSでもあるので、タッチゲームであったり、マウスとキーボードとの兼ね合い等が検討事項になるでしょう。
繰り返しとなりますが、Windows VS Macなどの個人的な感情ではなく、開発者にとって、これは絶好のチャンスとなります。しかし迅速に行動する必要がある。保守的な立ち位置で計画すると遅すぎる結果となるでしょう。
Metroに移行するなら今しかありません! Windows Storeは黄金期の最後の機会となるかもしれません。
Hiroaki Hayano 早野 浩章
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