知っておきたい登録商標マークの国際ルール

見落としがちな国際商標のルールを知り、グローバルビジネスをスムーズに

ビジネスシーンでも日常シーンでも、毎日のように見かける商標マーク(® ™ )。
サービスや商品を選ぶ際に、商標は重要な指針となります。

登録商標とは?

「商品の販売や役務の提供を継続すると、使用されるブランドは需要者に広く知られることとなり、商品の品質や役務の質が一定以上のものであれば、業務上の信用力(ブランド)が化体し、財産的価値が備わるようになる。この財産的価値は、特許権著作権にならぶ知的財産権の一つと位置づけられ、条約法律による保護対象となっている。これにより産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益を保護することができる。」

引用元:wikipedia

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%95%86%E6%A8%99

つまり商標とは、・自社のブランドを発信
・自社の信用力の強化
・自社の利益を守る

ための手段であり、企業にとって重要なものです。
国内はさることながら、グローバルでビジネスを展開されるみなさまにとって、自社の利益を守るため、ブランドを発信するために海外での正しい商標の扱いは避けては通れない重要な問題です。


そして、実はあまり知られていない落とし穴があります。

登録商標マークの記載する方法が、海外の企業でも間違って認識しているケースがあるのです。

 

商標を正しく表記して、信用力を増す

アニュアルレポートやCSRレポートなど、自社の商標 登録済み商品や申請中の商品をステークホルダーに発信するチャンスです。

自社のブランド力を強化する場であり、自社の商品の信用力を強化する場でもありますので、スマートなスタイルで、しっかり明示していきたいところです。

そんな重要なシーンでクリティカルなミスを起こしていませんか?
本日は、意外と正しく知られていない海外(米国)の登録商標マークの記載ルールをご紹介します!

疑問点 米国ルール
 複数形は? × Hershey® chocolate bars と表記し、 Hersheys とは表記しない)
 動詞化は? × “copy” something on a Xerox® copierとしては良いが、”xerox” it(Xerox(コピー)する)という使い方はしない。(Googleで検索することを「let’s google it」という使い方ができるのはカジュアルなドキュメントのみです。ビジネス文書では使わないよう注意して下さい。)
 所有格化は? ×
 一般的な名詞を付記する? 通常、商標後に名詞を付記してその商品が何であるのかを補足します。Oreo® cookie、Nike® athletic shoes商標のあとに「brand」を付記するのも一般的。
Kleenex® Brand Facial Tissue
Scotch® brand adhesive tape
( a kleenexやscotch tapeは× )
 トレードマークは毎回表示
するべき?
× 文書全体を通じて、ひたすら®TMSMを表示し続けるのは御法度。一番最初および、必要に応じて時々使用するという形が一般的。
 先頭を大文字にする? Xerox, Craftsman, Kodak

また、上記の表記のルールを 一度決めたら、一貫性を持って表記することも大切です。
ドキュメントや社内のスタイル ガイドを作成し、関係者間でシェアすることをお薦めします!

また、第三者の 商標登録済(申請済)商品やサービスを記載する場合は、記号の付記を忘れないことにもご注意ください。

TM、SM、®の違い

TM、SM、®の違いを正しく認識していますか?

たとえば、米国では、TM(Trademark)およびSM(Servicemark)は、米国内にて登録されていない商標、登録申請中の商標の場合にのみ使用します。
TMは商品に、SMはサービスに対して使用されます。

それに対し、®は、米国にて、かつ、州ではなく国に既に登録されている商標にのみ使用することができます。
TMは、これを付記することで読み手への注意喚起となり、商標が一般的に広く使用されているうちに普通名称化してしまうことを防ぐ効果があります。

もし、貴社の日本で商標登録されている商品やサービスを、日本向けに発信するのであれば、®を付記しますが
米国向けに翻訳する場合は、TMに書き換える必要があるということですね。

海外 展開する際の商品やサービス名は、「感覚」に頼らない

日本で使用している商品やサービス名をそのまま使用する場合、英語やその他の外国語で、どのような意味や印象をもつ語なのか、必ず調べるようにしてください。

商品やサービス名をローマ字表記にされている場合、それをそのまま海外で使用されるクライアント様がいらっしゃいますが、ネイティブが英語読みをすると適切ではない意味になってしまう場合があります。

「自分たちが描いているイメージ=海外顧客が受け取るイメージ」には言語の違いや文化の違いからギャップがあることは、多々あります。

イメージが異なるレベルであればよいですが、ネガティブな意味でネイティブに捉えられるケースが一番のリスクです。
商品名やサービス名はもっともコストのかからない、広告の役目を果たしますので是非、事前のリサーチは慎重に行ってください。

ネガティブチェックを知っていますか?

日本人が「当たり前に使っている言葉が、実は他の国の英語ではトンデモない意味だった」などというケースを防ぐために行います。
弊社のBlog でも、近畿大学を事例としてご紹介していますので、一度ご覧ください。

後から類似の名前があることが判明して、マークを変更することになったり、法的に訴えられたりするリスクを考えると、調査に手間やコストをかけるのは必要不可欠であるといえるでしょう。
弊社では世界各国に在住するネイティブスタッフのネットワークを活用し、ブランド名、商品名、店舗名などなど
ネイティブによるネガティブチェックのお手伝いをさせていただけます。

お気軽に大松澤、mia@iinetto.com, あるいは総合窓口、info@iinetto.comまでいつでもご相談ください。

引用元:

Your Trademark: What to do and what not to do…
http://www.bpmlegal.com/tmdodont.html
When and How Do I Have to Use Trademark Symbols?
http://www.forbes.com/sites/work-in-progress/2014/03/12/when-and-how-do-i-have-to-use-trademark-symbols/

参考サイト:
TM,SM,®と商標登録表示
http://www.tm106.jp/tmsearch/other_rmark.html

商標に関しての更に詳しい基本情報は、INTA (インターナショナル・トレードマーク・アソシエーション)のホームページでご覧にいただけます。
INTAは、商標権者と商標に関係する専門家で構成されたグローバルな団体です。

INTA  Trademark Basics
(日本語ページ:http://www.inta.org/jp/Pages/Home.aspx

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Mia Omatsuzawa 大松澤実絵

Chief Executive Officer (CEO)One World Link Inc.
英語のコミュニケーションにお悩みの方、私にご相談ください。真のコミュニケーションを、心と心のコミュニケーションの実現をご提供いたします。 担当記事:主に英語のコミュニケーション、ライティングについての記事を担当。また、価値あるグローバルな情報をいち早く日本語で皆様にお届けいたします。      mia@oneworldlink.jp  Facebook(Mia Omatsuzawa) 

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