Innovation Weekendから学ぶ、世界の壁と言葉の壁
サンブリッジベンチャーズが主催し、日本・米国・英国の11の将来有望なスタートアップ企業が参加したInnovation Weekendが東京で開催されました。
世界各地で開催されたInnovation Weekendでの優勝と準優勝したスタートアップ企業が一同に介した東京での決勝戦。
「Be global, or die local」(日本語に置き換えと「世界へ行くか、現状で終わるか!?小さくまとまらず、世界に羽ばたこう!」るといったところでしょうか)といったコンセプトを掲げたこのInnovation Weekend。
世界中から集まるイノベーションが刺激しあうことで、更に新たなイノベーションが生まれていくことは、素晴らしいですよね!
Innovation Weekendの詳細については、こちらのリンクからご覧ください。
「Be global, or die local」をコンセプトのもとに東京で開催されたこのイベントで、選ばれた上位3位は、実はすべて日本のスタートアップ企業。
特別賞に選ばれた米国のFitnessCubed社は、開催者側の選考による受賞でした。
私が非常に興味を持ったのは、この審査結果とその背景です。
英語圏のプレゼンテーターには、日本語での翻訳、通訳が付けられたようなのですが、どうもプレゼンの核心が、日本人聴講者誰一人として伝わっていなかったようなのです。
そのため、日本のスタートアップ企業ばかりが選ばれたのでは?と、開催者サイドのフラストレーションが記事中であらわになっています。
もちろん、聴衆者が日本人である場合、日本の文化にあったサービス、製品が好まれるのも納得です(たとえば、身体を鍛えることは、欧米のビジネスマンには常識ですが、日本のビジネスマンにとっては、欧米人ほど重要視していませんよね)。
しかし、プレゼンの言語と作法が違うという理由で、日本語圏以外の参加者のハンディが大きくなることは、プレゼンする側にとっても、聴講者側にとっても大きな損失です。
ただの通訳・翻訳とコミュニケーションの根本的な違い
通訳者がいたにも拘らず、プレゼンの内容が理解してもらえないなんて通訳がうまくいかなかったのでは?と思う方もいるかもしれません。
しかし実際は、オリジナル言語(英語)からターゲット言語(日本語)に、単純に言葉が訳されれば通じるというわけではないのです。
プレゼンテーションのコツについては、弊社の過去のblogでも詳しくご紹介しきました。(下記が関連記事です。)
①Facebook、LinkedIn、Amazonが、社内でのパワーポイントの使用を禁止
②TEDTalksキュレーターが教える、人生を変えるプレゼンの秘密
③TEDtalks直伝、そのまま使えるプレゼンテーションのコツ
プレゼンテーションは、言葉の選び方、しゃべり方、ボディランゲージ、時代背景や文化など、すべてに相互関係が発生する、発信者と聴衆者の「心と心のコミュニケーション」です。
自社ビジネスを賭けてのプレゼンテーション。
きっと多くの時間と労力を費やして準備したことと思います。
しかし、他の言語に翻訳、通訳する場合、単純に翻訳、通訳すれば伝わるという概念は大きな誤解です。
常に、ターゲット言語で読む、聴く、聴衆者の文化や背景までをしっかり理解し、翻訳や通訳をしてもらうにはどうしたら良いのか、という考えを常に持ち続けることが重要なのです。
もちろんこれは、翻訳、通訳を委託されるベンダー側にも言えることであり、発注側と受注側、双方が同じ意識を持つことが、「心と心が通い合うコミュニケーション」を生み出すもっとも重要な要素なのです。
言葉と文化の壁に遮られることなく、世界中の国から集まったイノベーションが、切磋琢磨できる、そんな日本のビジネスシーンをつくることが、私の夢でもあります。
ビジネスのコミュニケーションをお手伝いするだけではなく、少しずつ、世界の「当たり前」や、新しいトレンドを皆さまにご紹介し、日本の真のグローバル化に貢献していきたいと考えております。
Innovation Weekend入賞 スタートアップ企業
今回の入賞したスタートアップ企業上位3位をご紹介しますね。
優勝:
Sciementサイアメント (イノベーションウィークエンド・東京勝者 医療用アニメーション)
http://www.sciement.com/about.html
聴衆を魅了したのが、この医療用アニメーション。
病気や怪我を煩って、自分の身体状態が不安な患者に、特別な知識を必要とせずに、人体の構造や、病気や外傷などによる影響を視覚化して説明することができます。現在まだビジネスモデルが確立されていない段階ではありますが、今後収益化していくために、MRIのデータと3D印刷を利用して、臓器モデルなどを作成することを検討しています。
詳しくは下記リンクを見てみてくださいね。
Sciement uses 3D animation to explain medical problems
2位:
Loupe (日本:小中高教師向けソーシャルネットワーキング)
AgIC (日本:回路基板プリント)
特別賞:
FitnessCubed (ボストン:エクササイズマシーン)
日本にも世界で通用するたくさんのサービス、商品がまだまだ存在していると思います。
今回のイベントのコンセプト、「be global or die local」ではないですが、ぜひ、日本ではなく、世界で勝負を!
そしてまずは日本ではなく、まずは世界から!という意識が、スタートアップ企業でも実現できるよう、グローバルコミュニケーションの分野で、iinetto はお役に立ちたい、そう思っております!
引用元:TECHINASIA
11 startups came to Tokyo for Innovation Weekend’s grand finale. Here are the winners
https://www.techinasia.com/innovation-weekend-grand-finale-tokyo-2014/
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Mia Omatsuzawa 大松澤実絵
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