中国語のレポートや資料作成に知っておくと便利!
中国語版のウェブサイトやアニュアルレポート、会社概要、販促ツールなどの制作にあたりどのように品質を管理されていますでしょうか?
弊社で中国語版の制作をお手伝いいただく際、日本人スタッフでは、どういったレイアウトが正しいのかどうか、どういったレイアウトがネイティブの方にとって読みやすいのか判断できず困っているというご相談をよくいただきます。
残念ながら、そもそも中国では、まだ中文レイアウトの明確なガイドラインはまだ定義されていません。ここでは、一般的にどういったレイアウトが中国人ネイティブにとって自然で読みやすいか、11つのポイントをご紹介いたします。
このガイドラインを一つの指標とし、よりプロフェッショナルなレポートを制作しましょう。
- 一行の文字数
図1のように、一行の文字数が多すぎると、綴込み端の部分に空白が余りないため、非常に読み難いレイアウトになっています。
日本語同様、文字は詰め過ぎないようにしてください。
- ページ全体のレイアウト
ページの余白の大きさが異なると、読者に与えるイメージも違います。それぞれの内容、体裁に応じて決めていくよう配慮してください。。例えば、図2の場合、abcdのの比例は1:1.2:1:1.7となっています。
また、ページ背景の色の違いから、読み手に与える印象が異なります。
- フォントの大きさ
日本語同様、タイトルのサイズは大きめ、注釈のサイズは小さめなど、文字の大きさはその役割に応じて決めると読みやすいですね。
また、本文のフォントサイズは小さすくなりすぎないよう読み手の立場にたって設定してください。本文のサイズを決めてから、タイトル、サブタイトル、注釈などの大きさを調整し、これによって全体的なバランスが取りましょう。
下記の図を参照し、適切なフォント、フォントサイズを使用してください。
フォントの種類によってサイズや見え方が異なりますので、フォントによってサイズを調整するとよいです。
図3のSimsunは他のフォントより小さめに見えますので、大きめのサイズを推奨します。
図4のsimheiは他のフォントより大きめに見えますので、小さめのサイズを推奨します。
- インデント(左揃え、両揃え)の使い分け
左揃えに向いている文章
センテンスごとに左揃えするという揃え方は、起伏する波のようなイメージがあり、特に詩などの趣のある体裁にふさわしいです。(図5参照)
両揃えに向いている文章
長文を編集する際は一行の字数が決められている、両揃えの整った形がいいとされています。読む時に、視線がより自然に次の行に移るためです。(図6参照)
- 余白を利用してみやすいレイアウトに(行間、文字間)
ページにある程度空間を残すことで、読みやすいレイアウトになります。
最も小さな余白は漢字の中(図7)になります。文字間の余白(図8)や、行間の余白(図9)、段落間の余白(図10)があります。これらの余白の大きさは全て連動しています。よって、以下のルールに即して設定していない場合、全体の文章が読みにくくなりますのでご注意ください。
・文字間の余白は文字の中の余白より大きいこと
・行間の余白は文字間の余白より大きいこと
・段落間の余白は行間の余白より大きいこと
実際に調整する際は、自分の目で判断できる程度の調整で問題ありません。一つの目安としてご参考ください。
- 行間の設定
行高と行間は見やすさに大きく影響します(図11)。
行間が広すぎると、上の行から下の行まで視線を移すのに時間がかかり、読みにくくなります。一方、行間が狭すぎると、時々視線を移す時違った行に行ってしまったりして、どこまで読んだかわからなくなります(図12)。本文に最もふさわしい行高は、文字の高さの2倍が目安です。例えば文字が8pxの場合は、行高を16pxに設定しましょう(図13)。
また、フォントにより、見え方が異なりますので行高を調整する必要もあります。例えば、Simsunを使用した場合(図12)、行高はSimhei(図11)より高く設定すると読みやすさが向上します。
- 文章の役割によって行間を使い分ける
タイトル、サブタイトル、序文などの短い文章においては、行高をやや狭く設定すると見やすいです。
タイトル、サブタイトルは文字のサイズが大きいため、行高が広いと締まりがない感じがしてしまうためです。
- フォントの組み合わせ
中国語と英語の両言語の文章でしたら、Simsunとセリフ(図15)、Simheiとサンセリフの組み合わせが自然です。
- 文章が一番生きるレイアウトを
一番重要なポイントは、文章が生きるレイアウトであることです。読者がもっとも読みやすいレイアウトはなにか?読み手の立場にたってレイアウトチェックをしてください。
例えば、対話の多い小説などでは、行間を小さめにとっても問題がありません。しかし、論文や学術的な本などでは、行間が広いほうが理解しやすくなるのが当然のことです。また、読者の年齢などもレイアウトの影響要素であり、念頭に入れておかなければなりません。
- 段落の間隔設定
行間と同じように、段落の間隔が広すぎても、狭すぎても読みにくくなります。
一般的な方法としては、段落間隔を文字の高さの2倍(図16)に設定します。もちろん、これは決して決められたものではありません。あえて段落間隔を狭くすることで、内容が緊密に繋がっているというイメージを読者に与える場合もあります。
- 記号の扱い方
英語に比べると、中国語には大量な記号や句読点が混在しており、その構造は非常に複雑です。従って、全体のレイアウトを整った体裁にするために、あらかじめ段落書式で設定を行わなければなりません。
例えば、中国語と英語が混在する場合は、違和感をなくすために、英語の文字のサイズを中国語より少し大きめに設定すると違和感がありません。
また、行末にある句読点をテキストの枠に収めるかどうかも予め設定しておく必要があります。また、記号と句読点の位置は一番左(図18)にあることは避けなければなりません。
ルールは時間の推移とともに変わる
上述したレイアウトに使われる要素には、読みやすいと広く認められているルールはあるものの、いまだ時間の推移とともに変化している要素があります。
大きな変化とは限らないのですが、変わっているという現状に違いはありません。定期的にレイアウトのルールやトレンドを情報収集していくことが、中国語ネイティブの方にとってより読みやすいレポート制作には必要とされます。
iinettoでは、中国人のネイティブスタッフ監修によるレポート制作のお手伝いをさせていただいております。
アニュアルレポート制作、ウェブサイト制作など数多くの経験を積んだネイティブスタッフが、中国語ネイティブに読みやすく、プロフェッショナルな印象を与える制作物を提供いたします。
中国語の販促ツールなどをお考えの方、中国市場に展開をお考えの方、お困りの点などございましたらinfo@iinetto.comにいつでもお気軽にお問い合わせください。
引用元:
http://uedc.163.com/11553.html
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Mia Omatsuzawa 大松澤実絵
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