不思議発見!数字から見る文化の違い

十進法と十二進法

以前弊社が協賛で開催させていただいたTOEIC講座の講師、松岡先生が度量衡の観点から欧米と日本の文化や歴史の違いを感じられたという小話をご紹介させていただきます。

中学生の時に十進法と十二進法の授業を受けたご記憶はあるかと思います。
国によって進法の使用は異なり、今も尚、我々の日常生活にも密接に関り使用されています。

十二進法とは、12を低とする位取り記数法。10でなく12が低となった由来は、人差し指から小指の節で数を数えたことではないかと言われています。

一方、十進法はヒトの10本指で数える風習からきていると言われています。中国、ベトナム語は完全なる十進法の数詞を使用しており、中国語から輸入されている数詞を使用している朝鮮語、日本語、タイ語もそれに準じています。

十二進法を使用している欧米の数字表記は13のところで10を表す -teen に切り替わりますね。

さて本題である、松岡先生の幼少の体験談です。

子供のころ文房具屋にいき、鉛筆を1ダース購入されたそうです。
そして鉛筆のキャップも購入されました。

鉛筆1ダースは12本入り。かたや鉛筆のキャップは5本入り。
鉛筆のキャップは3セット購入しなければ足りないのです。

ダースという単位は十二進法のルールである欧米から生まれた単位であり、日本では十進法が主に使用されていますので5で割り切れる単位が1セットであることが多いですね。

松岡先生は子供心に欧米と日本の数字の感覚の違いを感じ取られたそうです。
非常に興味深いですね。
そして、子供心になんて消費者に優しくない規格なのだろうと思われたのでしょうね。

松岡先生はロンドンに留学されていたのですが、イギリスは特にアングロサクソンの十二進法とローマの十進法が混在していてややこしい国だそうです。
ちなみに『パルプフィクション』の冒頭では、ジョン・トラボルタがフランスで「チーズ・クォーター・パウンダー(1/4ポンド=113g)」を「チーズ・ロワイヤル」と呼ぶのはフランスがメートル法(metric system)で、ポンドという単位がわからないからだ、なんて馬鹿にするシーンがあったりもします。

また、アメリカンスクールに通う子供の会話を聞いていて面白いことに気づかれたそうです。
日本語と英語を混在して会話をしているのですが、不思議なことに度量衡が混在することは絶対にないのです。
これは「ルビンの壺」のように両方を同時に認識することはできないからだと言われているそうです(ゲシュタルト心理学)。

もう一つは私の経験から。
弊社では海外向けInvestor Relation(IR)のサポートを強みとさせていただいております。
具体的には決算説明会資料は決算短信、アニュアルレポートの英語版などの企画・制作、翻訳や英文ライティングです。

決算短信の財務諸表や定性情報には具体的な数値表記が頻出されます。

例えばこういった英文を翻訳する場合、

例文(日本語)
今期は、石油の市場価格高騰の影響により、経常利益が1億3千万円下落し、前年同期に比べ、1千5百万円の減益となった。

1億3千万円をみなさんは英語でどう表記しますか?
1,300 million でしょうか?

我々日本人の感覚からすると、百万の単位で区切った表記のほうが数字のイメージがつかみやすいですよね。
実は欧米人の感覚であると、ここは0.13 billion と表記したほうが数値的感覚でぱっと理解しやすいのです。

1億円 = 0.1 billion = 100 million

自然に使用している数字の単位からも欧米と日本の歴史の違いが表れていますね。
では、決算短信の数値表記はbillionを使用するべきなのかmillionを使用するべきなのか。

結論は、できる限りbillion表記にすることを推奨いたします。
数値的な感覚がつかみやすいことが大きな理由の一つです。

ただし、数値の単位が小さいにも関わらず、billionを使用されると逆にそれはわかりづらくなってしまいますので、その場合はmillionを使用してください。

目安は1億の単位がある場合はbillionを使用する。
千万単位である場合はmillionでしょうか。

一番重要であることは、読み手の理解しやすい単位を使用すること。
そして翻訳の過程で数値の単位を間違えては決していけないということです。
英語版のリリースをお急ぎなのであれば、「スピード、正確性」を重視し、翻訳の際のミスを軽減するためにすべてmillion表記にすることも一つの手段です。

翻訳会社や社内の翻訳担当者様に依頼する際、欧米向けに発信するにあたり、数値表記、翻訳のスタイルについて事前に決められておくと、IR担当者様の手間がぐっと省けるのではないでしょうか。

– 数字の表記方法
– FYの表記方法
– 財務諸表の参考元(ここは非常に重要です。注意点も多くあるので今後のBlogでご紹介させていただきます。タクソノミの財務諸表の表記や、日系の同業他社の財務諸表を参考にされることが100%正しい表記とは限りません)
– 使用フォント
– Power Point であれば使用するバージョンの指定

何が正しいのだろう。どちらがネイティブにとって理解しやすいのだろう。
そんな疑問があれば弊社までお気軽にお問合せください!

引用元
http://isyoichi.seesaa.net/article/292635012.html


The following two tabs change content below.

Mia Omatsuzawa 大松澤実絵

Chief Executive Officer (CEO)One World Link Inc.
英語のコミュニケーションにお悩みの方、私にご相談ください。真のコミュニケーションを、心と心のコミュニケーションの実現をご提供いたします。 担当記事:主に英語のコミュニケーション、ライティングについての記事を担当。また、価値あるグローバルな情報をいち早く日本語で皆様にお届けいたします。      mia@oneworldlink.jp  Facebook(Mia Omatsuzawa) 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください