企業ページの強制変更が先週までとなっていたFacebookタイムラインは、SimpleUsabilityが6企業のページで眼球運動を調査した結果、新機能の多くが見落とされる、誤解されるといった点で「欠陥あり」となったそうです。
SimpleUsability代表Guy Redwood氏は、「一般ユーザーは新レイアウトを完全には理解していない、もしくは意図されたように活用していない。時間が経つにつれ変わって行くだろうが、『いいね!』獲得の構造がさらに難しくなったということで、企業はエンゲージメント率獲得にこれまで以上に力を入れる必要がある。」と語っています。
この調査は、American Express, Pizza Hut, Coca-Cola, Gap, Coldplay, Manchester United 6社のWebベース企業ページに置いてユーザーの眼球の動きを追ったもので、企業ページの問題点を指摘しつつ、現ページデザインの方が有効である特徴もいくつか捉えています。
タイムラインの設定にまだ取り組んでいる企業にとって次に挙げる6点は大きな手がかりではないでしょうか。 シェアさせていただきます。
カバー画像はそれほど重要ではない
Facebookは企業がカバー画像をチャンスとして活用できると強く主張してきた。そしてこういった企業のカバー画像デザインを手掛けるための社内作業が巷に溢れ返っているという状況。しかし、この調査でユーザーはカバー画像をまったく気にかけていない、或いは、「広告スペース」と思い込み、気にも留めていなかったという結果がわかった。
また、カバー画像の真下にあるプロフィール画像やアプリにもあまり注目していなかった。ほとんどの場合、ユーザーがページに訪問し、最初にすることは、ページをスクロールダウンしてどんな内容かを把握することだった。
タイムラインは実は役立つ機能
企業にとってタイムライン最大の利点は企業の歴史を伝えることができること、というのが調査でわかった。タイムラインのデザインは特にオンライン上でこれを達成するのに効果的ではあるが、ユーザーは企業ページの「基本データ」ボタンが見つけやすい点も気に入っていたそうだ。「企業のHPからより、簡単に企業について知ることができた。」というのが多くのユーザーの感想だった。
タイムラインは最新であれば有効
ユーザーはタイムラインの見た目が古臭くなってしまうのではないかと感じている。過去に遡って企業の歴史を加えることができるという利点がある一方で、調査ではほとんどのユーザーはタイムラインの新しい順表記の過去1か月より以前は見ていなかった。
ユーザーは友達の企業との交流や「いいね!」に気づく
ユーザーが企業と交流するようになる一番の方法は、ユーザーの友達を企業と交流させることだ。ユーザーは友達の企業へのタイムリーなコメントに参加しやすい傾向がある。
投稿固定の有効性評価にはさらなるデータが必要
企業は投稿をトップに固定することでタイムラインの新しい順表記がきたす支障を回避できる。しかし今のところこの固定機能を利用している企業はあまりなく、固定していたとしてもユーザーにはほとんどインパクトを与えていない、ということがSimpleUsabilityの調査でわかった。
ユーザーはめったにアプリを活用しない
ユーザーがタイムラインのレイアウトに慣れていくうちに変わるかもしれないが、現時点でほとんどのユーザーはカスタマイズされたアプリボタンに気づいてもいない。気づいたとしてももっぱらその画像を見ているだけだ。
Mia Omatsuzawa 大松澤実絵
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