Facebook広告の利用を考えているけど、その選択肢の多さに混乱してはいませんか?
「ソーシャル広告」が未来の広告の形だ、とアメリカでは言われています。 でも、今の皆様にとってのこの実用的な意味とはどうなのでしょうか?
今回の記事から、Facebook広告を通じて、どう御社を宣伝し、ファンとの関係を深めるか、少しでもそのヒントとなればと思っています。
今回は2月のFacebookマーケティング会議(fMC)で発表された新広告ソリューションについての役立つ情報を取り上げていきたいと思います。
Facebookの営業プロセスを理解し、自分達がどれに当てはまるかを知る
数多くあるFacebookの広告オプションのどれを活用するか詳しく説明する前に、Facebookのスポンサーとの関わり方を知っておくのは有益。
Facebookには3つの営業ルートがある:ダイレクト、インサイド、オンライン
- ダイレクト営業は国際規模の大企業向けで、Facebookはスポンサーやそのエージェントと直接関係を保持するため専属のアカウントチームを置く。これらは一般にマネージドアカウントと呼ばれる。一番に留意すべきポイントとして、特定の商品、特にプレミアム(後に説明)はマネージドアカウントのみ対象となる。
- インサイド営業は次の層の顧客、つまりFacebookに数十万ドル費やしているような企業を対象としている。こういった顧客には広告購入の際に直接やり取りする営業担当がいるが、マネージドアカウントほどの戦略サポートはない。
- 残りはオンライン、つまりセルフサービスルートを用いてFacebook営業とやり取りすることになる。Facebookのマーケティング/広告APIを熟知し、セルフサービススポンサーの購入プロセスを円滑にする商品を開発している会社がある。Ad Parlor, Blinq, TBG Digitalなどのプラットホームは、自動化や最適化を実現することが可能。ある程度の資金を投じることができる企業にとってはこれらのサービスを使うのも有益。
しかし、利用可能な広告種類に関しては、このプラットホームではFacebook セルフサーブインターフェースを使って自分達でできないものへのアクセスができない。
広告とスポンサー記事の違いとは?
Facebook曰く、ユーザーは「広告」ではなく「記事」にエンゲージしたい、と言っています。違いは、広告は一方通行のコミュニケーションで、記事はもっと対話的で参加型ということ。
このスポンサー記事では、企業へ「いいね!」やコメント、シェアができる。
これを立証するため、FacebookはNielsenが行った調査データを公表しました。そこでは従来の広告文句だけのものに比べ、友達の名前(例:「Johnはこれをいいね!にしています」)といったソーシャル的文脈を含む広告の方が実に高いクリックスルー率とブランド想起率を得ていることがわかりました。
Facebookは引き続き、オンライン、ダイレクト、インサイド営業ルートに対して広告とスポンサー記事両方のオプションを提案していますが、スポンサーへのソーシャル広告利用を促す新フォーマットをたくさん導入しています。さらに、ページ管理者がその複雑なセルフサービス広告インターフェースを使って企業ページのコンテンツを直接スポンサー記事にできるバイパス機能を備えたボタンの試行もFacebookは最近始めました。
また、マーケットプレイス広告と呼ばれる従来の広告設定の選択もまだ可能としています。これは、広告のコピーと素材を用意し、希望すればその広告をFacebookページや企業HPにリンクできるというものです。
マーケットプレイス広告
現在4タイプのマーケットプレイス広告がある
- スタンダード広告(企業HPに誘導)
- いいね!広告(Facebook企業ページに誘導)
- アプリ広告(アプリに誘導)
- イベント広告(イベント宣伝)
各広告にはサムネイル画像、タイトル、ボディーコピーが含まれます。
注記:5月28日現在ボディーコピーの上限が90文字に変更されている。
Facebookのセルフサーブインターフェースで新規の広告設定が簡単に。
オンラインルートは不可ですが、ダイレクトスポンサーは動画広告にもアクセスできます。しかし、セルフサービススポンサーも下記のページポスト広告を介して動画の組み込みが可能。
スポンサー記事
では、スポンサー記事を見てみましょう。これはFacebook初のソーシャル広告で、今は下記の新ページポスト広告と区別するために「友達の声」記事と呼んでいいと思います。この記事は、企業ページのファンまたは企業と交流した友達のユーザー、つまり「ファンの友達」に表示されます。記事には常に友達のプロフィール画像、名前が表示され、これらはマーケットプレイス広告には表示されないものであるため、ソーシャルな側面があると言えますね。
スポンサー記事は以下のいずれかのアクションで生まれる。
- ページへ「いいね!」(ユーザーが企業ページをいいね!にし、その友達がこれを見る)
- ページ投稿へ「いいね!」(ユーザーが企業ページの投稿をいいね!にする)
- ページ投稿へコメント(ユーザーが投稿にコメントする)
- アプリの利用またはアプリのシェア(ユーザーが企業のアプリと交流)
- チェックイン(ユーザーが企業のロケーションにチェックイン)
- 質問に回答(ユーザーが企業ページに投稿された質問に答える)
- イベント予約(ユーザーが企業イベントへの出席を示す)
上記に、従来のいいね!広告と、ページいいね!スポンサー記事が並んでいるのがわかるだろう。両者がユーザーの企業ページとのエンゲージを促しているが、スポンサー記事には「友達の声」が含まれており、より一層ファンの友達のエンゲージメントを誘導すると見られる。
数多くあるFacebook広告に一番最近追加されたものがページポスト広告とスポンサー記事です。
ページポスト広告
ページポスト広告は、企業ページの広告単位と同じコンテンツを表示可能な点を売りにしています。もしユーザーが友達経由で企業とつながっていなくても、広告を見て企業ページをいいね!にすることが可能。
既存のファンやファンの友達はスポンサー記事で企業とつながった友達を見ることになりますが、これは付加的なソーシャル面となります。Facebookプレミアムにアクセス可能なマネージドアカウントにとっては、ページポスト広告によって既存のファンが直接スポンサー記事の中でいいね!やコメントをして、交流ができます。現時点では、オンラインルートのスポンサーにはこの大規模なエンゲージメントは対象外となっています。
ページポスト広告のオプションには現在以下が含まれる:
- テキスト(企業ページにテキストだけを含む投稿を作成)
- 画像(企業ページに画像を投稿)
- 動画(企業ページに動画を投稿)
- リンク(企業ページでリンクをシェア、Facebookから他サイトへの誘導に利用可能)
- 質問(質問や投票する)
- イベント(イベント作成)
ページポスト広告では、動画消費率も増加
ニュースフィードに広告を表示させたい場合は?
Facebookプレミアムについてはいろいろと言われているようです。これは、携帯サイトを含めスポンサーがページポスト広告とスポンサー記事を直接ニュースフィードに転載できるというも。Facebookプレミアムはマネージドアカウントのみ対象ですが、だからといってユーザーのニュースフィードにマネージドアカウント以外の広告を表示できないという訳ではありません。オンラインルートからのマーケットプレイス・スポンサー記事もニュースフィードに掲載できるものとしてみなされます。FacebookのEdgeRankアルゴリズムは表示すべき記事の適応性を判断する際に多くの点を考慮します。
もし、サンフランシスコに居ながらウィチタにある配管工が表示されたとすれば、これはスポンサーにとっても閲覧者にとっても良くないですし、良いユーザー体験とは言えないでしょう。Facebookは当然これを考慮し、ニュースフィードにどのスポンサー記事を表示させるかきちんと選別しているようです。広告がニュースフィードに表示されれば、企業ページの広告枠に表示される場合と同様にインプレッション単価(CPM)とクリック単価(CPC)を支払うことになります。
Facebookはまず初めにニュースフィードや携帯サイトの中で各広告の働きに関するデータを集めることでしょう。このデータを武器に、スポンサーをより惹きつけるような商品展開の先行きを判断できるようになるのでしょう。もちろん、私たちがニュースフィードに表示されたものに対して直に支払いができるようになれるという保証はないですが。
オファーとは?
また、Facebookは新商品も発表しました。これは企業がオファーを作成し、それを企業ページに投稿してユーザーがクリック1回でオファーをリクエストすることができるというもの。ユーザーがオファーをリクエストすれば、ニュースフィードでその友達に知らせ、さらなるリクエストにつながります。
現段階ではオファーはマネージドアカウントと一部のローカル企業ページのみが対象ですが、今後対象を広げて本格展開するものと見られます。
ニュースフィードでオファーが表示され、クリック一回でオファーをリクエスト、シェアできる。
オファーがどのように広くスポンサーに本格展開されるかはっきりしていないのですが、どの規模の企業にとっても画期的なツールであることには間違いありません。お見逃しなく!
では、何をすれば良いのか?
もちろんのこと、企業はそれぞれ違い、独自の目標を持つのでFacebook広告の方法を規定する、ということはできません。でも、Facebookで広告をまだ始めていない企業は以下を考慮してみること、またすでに広告を出している企業は以下のポイントを念頭に広告のやり方をもう一度見直してみることが大切だと思います。
- 概して、Facebook広告はFacebookでの行動喚起により有効だ。最近Facebookが発表したもう一つの機能で、ページへ「いいね!」やアプリのインストール、イベントの予約といったユーザーが広告と交流した後のいろんな動きを追跡でき、これによってスポンサーは広告の有効性をさらに正確に測ることができるようになる。
- Facebookで最も強力なチャンスの一つが、ファンの先にいる友達にまでつながることができる点だ。従来の広告で匿名ユーザーを対象にするよりも、スポンサー記事を通して企業と交流した友達がわかるといったように知り合いを介した人からの方がもっと大きな反応を受けやすい。
- では、Facebookでさらに大きな目標を達成するためにどう広告を利用するか?「いいね!」広告は閲覧者獲得に最適で、ページポスト広告はエンゲージメント拡大につながる。ページでアプリを活用しているなら、広告を利用してアプリへ直接誘導できる。
大切なのは、明確な目標を持ち、それを達成するための有効性を測定できること。実験してみることには大賛成ですが、やみくもにとは思いません。
ライバル企業がFacebook広告をしているからといって、同じようにするべきという訳でもありません。
「いいね!」の数を集めて、自分たちの結果を見比べるのは手っ取り早いかもしれませんが、Facebookマーケティングの有効性を測る良い手段とは言えません。
「いいね!」の数を増やすために高額を投じてしまう前に、こういったファンをどうやって獲得し、エンゲージさせるかについてのプランを立てることが大切です。同じくここにも規定の方法は存在しません。Facebookで成功する企業は、楽しくインタラクティブなアプリ(例:ゲーム、コンテスト)だけではなく、企業ページのコンテンツや会話を通じてファンとエンゲージしています。
こういったエンゲージメントはページポスト広告やスポンサー記事を活用することによって増幅します。両方を利用することによって、Facebookマーケティングに一段と全体的アプローチが加わることでしょう。
どうですか?Facebook広告は使っていますか?これらの新機能を皆様はどう思いますか?是非ご意見を!以下のボックスにコメントや質問をお寄せください。
参考:http://www.socialmediaexaminer.com/how-to-use-facebook-ads-an-introduction/#more-18059
Mia Omatsuzawa 大松澤実絵
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